ストレスはあっても、なくても不眠になる!自律神経と不眠の深い関係

ストレスはあっても、なくても不眠になる?!自律神経と不眠の深い関係

「強いストレスを受けると、夜、眠れなくなる」。
これ、よく聴く話ですよね。

 

ストレスが強ければ強いほど、頭の中で「悩みごとがグルグル…」。
寝ようと思っても、なかなか寝つけなくなってしまいます。

 

これは、ストレスのせいで、自律神経の1つ「交感神経」が過剰に働いている状態。眠るために必要な「副交感神経」にうまく切り替えることができなくなっています。

 

でも、思い当たるストレスがないのに、不眠になるケースもあります。それは、一体なぜなのでしょうか? 詳しく、解説していきましょう。


不眠症は、自律神経のバランスの乱れが原因!

人間の身体は「自律神経」がコントロールしている

 

人は、誰でも、「自律神経」の恩恵を受けて、生命を維持しています。

 

血液が流れるのも、体温を維持するのも、食べ物を消化するのも、すべて「自律神経」の役割。意識しなくても、自動的に働くありがたい神経なのです。

 

「交感神経」「副交感神経」で成り立っている自律神経

 

 

この「自律神経」は、2つの神経の総称です。1つは、「交感神経」。もう1つが、「副交感神経」です。

 

どちらも重要な神経ですが、同時に動くことはなく、どちらか一方が優位に働き、必要に応じて、随時入れ替わります。

 

【交感神経とは?】

 

主に、日中。体を活発に動かしているときに働くのが、「交感神経」です。例えば、運動をしているとき。この、交感神経は、こんな働きをします。

 

・血圧を上昇させる

・心拍数を上げる

・血管を収縮させる

 

交感神経を、活発に働かせるのは、アドレナリンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質。これが作用すると、血圧が上昇し、気分は高揚します。

 

交感神経は、主に、こんなときに、働きます。

 

・日中、活動しているとき。

・緊張しているとき。

・ストレスを感じたとき。

 

ストレスが強くて眠れない人は、寝る時間帯になっても、この「交感神経」が活発に動いて、眠りを妨害してしまいます。

 

副交感神経とは?

 

副交感神経は、交感神経とは、全く逆の働きをします。

 

・呼吸が遅くなる。

・胃腸の働きを活発にする。

・血圧を下げる。

 

副交感神経が、働くのは、こんなときです。

 

・リラックスしているとき。

・眠りにつくとき、眠っているとき。

・休んでいるとき。

 

つまり、副交感神経は、心と体を休め、リラックスさせる神経です。眠りにつくには、この副交感神経が優位になる必要があります。


自律神経が一方にかたよると、不眠になる

ストレスを受け続けると、交感神経が過剰に動くのは、前述の通り。

 

そのため、眠る際に必要な「副交感神経」が作動できなくなり、不眠になります。

 

これと逆に、日中、優位になるべき「交感神経」が作動せず、「副交感神経」ばかりが働き続けると、これが原因で不眠になることがあります。

 

とくに、日中動くことが少なく、ストレスもほとんどない場合。副交感神経が優位な状態が続きます。

 

すると、筋肉での熱の産出量が足りず、体温を上げることができなくなります。

 

実は、眠りにつくためには、体温を上げる必要もありますが、これができなくなり、結果的に不眠になってしまうのです。


自律神経のバランスが不眠解消のカギ!

つまり、自律神経は、どちらか一方だけに傾くと、体調不良や不眠の原因を引き起こします。

 

思い当たるようなストレスもないのに、眠れない。こんな人は、日中の活動量や運動量が足りていない可能性が高いケースです。

 

わざわざストレスを受ける必要はありませんが、これを解消するには、運動量を増やすことは必要不可欠。心地よい疲労を感じる程度の散歩などは、不眠解消に役立ちます。


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