不眠治療B|脳のどこに作用するかで違いがある!?4種類の睡眠薬
現在、使われている「睡眠薬」の主流は、「ベンゾジアゼピン系」、「非ベンゾジアゼピン系」、「メラトニン受容体作動薬」、「オレキシン受容体拮抗薬」の4タイプです。
1970年代まで主流だった、バルビツール酸系や非バルビツール酸系の睡眠薬は、安全性の問題から、現在では不眠症に処方されることは、ほぼありません。
これらの薬は、「脳のどこに作用するのか?」でタイプが分かれています。現在の主流の4タイプについて、詳しく解説していきましょう。
脳のどこに作用するの? 主流の4タイプの睡眠薬
中枢神経の興奮を抑える
この2つは、脳の「GABA―A受容体」に作用する睡眠薬です。
GABA受容体は、脳を覚醒させる神経伝達物質と結合して、中枢神経の興奮状態をやわらげる働きがあります。
この効能で、眠りを引き出すほか、不安や緊張をやわらげたり、筋肉の緊張状態をほぐす効果もあります。
そのため、ストレスからくる不安症状を伴う方によく効きますが、これらの効果によって、人によっては依存しやすくなる場合もあります。
中でも、非ベンゾジアゼピン系に比べて、ベンゾジアゼピン系の薬は、長期間服用すると依存リスクが高まりますので、医師の診断に従って、適切に服用しましょう。
主な薬の商品名
「ベンゾジアゼピン系」⇒ハルシオン、デパス、レンドルミン、リスミー、エリミン、ロラメットエバミール、サイレース、ユーロジンなど
「非ベンゾジアゼピン系」⇒マイスリー、アモバン、ルネスタ
メラトニンの分泌を促す
比較的新しい薬で、眠りを引き出す「メラトニン」を誘導して、眠気を誘う「睡眠補助薬」です。
作用時間が短めで、効果もマイルド。副作用や依存症の心配も、ほとんどありません。
軽い不眠症や高齢者の方に処方されることが多いほか、体内時計を整える効能もあるため、昼夜逆転型などの睡眠リズムがおかしくなっている方にも、効果的です。
主な薬の商品名 ロゼレム
脳を覚醒させる働きを抑える
最近開発された薬で、脳を覚醒状態にする「オレキシン」という物質の働きを抑えて、眠りを引き出します。
副作用が少なく、作用時間もメラトニン受容体作動薬よりも長いのが特徴です。
主な薬の商品名 ベルソムラ
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